2007年12月8日土曜日

闇夜の目(その2)

こんにちは。照尾暢浩です。

皆さん、元気ですか!?  
今回も、「見る」ことの続きです。

「あれ! あんな暗闇に、何?」
友人と稽古から帰る途中のことでした。自転車で通りかかった暗い郊外
の道は、人影もなく、さびしい通りでしたが、その時は、数人の人が集
まっているようでした。

何か、胸騒ぎがし、心臓がドキドキとしてきます。
二人の若い女性が、3~4人の男性と話をしている・・・。友人か知り合
いで、何かをしゃべっているんだろ? そうであってくれ! そう思い
ました。(いや、そう思いたかったのです)。

しかし、どうも最初の悪い予感は当たってしまったようでした。彼女た
ちは、男たちにぐるりと囲まれていたのです。

2対4? いや、2対5!
私は友人の顔を見ました。友人も、小さく顔を縦に振りました。。そう
いう風に思いたかったのかもしれません。「よし、行くか!!」アホな
二人は、勝手に正義を振りかざして、人垣に迫り「君ら、何してんの!
!」と大声で、彼等に向かっていきました。

ところが、5人? 6人? いや、10人以上? 全部で20人以上で、数え
切れません。
女性を囲んでいる後ろには、まだたくさんの男たちがいました。「今
日は、もう終わったかな・・・。明日元気ならば、それでいいかぁ!」
という思いが、心によぎります。

しかも、話を聞いてみると、彼女たちは二人で話をしていただけ・・・・だ
そうで! うるうるしながら、こちらを見ていました。「君ら、遅いか
ら早く帰ったほうがいいんやないか」と声を掛けました。そして、たむ
ろしていた屈強そうな団体さんにも「こんなところで、何しとるんじゃ」
と決まり文句を言ったのでした。

「オレたちレスリング部」と、ほろ酔い加減の男たちがニヤリと笑います。

背筋が、シャキーンと伸び、心の中でセルフトーク「ピーンチ!」やる
しかないのかな? 絶対絶命のピンチ! 彼女たちの方を振り向くと、
いつのまにかどこかに行っていました。うまく逃げ出していたのでした・・・。

今日はいいことをしたかなぁと、そう思った私は、彼らとの戦いを覚悟
しつつも、脱出の糸口を探っていました。「オレたちも、空手や柔道を
やってるんだよ」と話すと、彼らも話しに乗ってきたのです。そして、
いつのまにか、意気投合して、格闘技の話に花が咲きました。最後は一
緒にジュースを飲みながら「気をつけてな!」「気をつけてお帰り」と
お互いに声を掛けて別れたのでした。

そもそも、彼らは悪い人ではなかったので、大事にはいたりませんでし
たが、暗闇が災いして見間違いをしてしまいました。しかし、闘わず切
り抜けられたことは、幸いでした。夜は、一点に集中すると、周りが、
余計見えなくなります。広く、浅く周辺視野を使って見ることをお勧め
します。

また、諦めず、機転を利かせること、戦わずして済ませるのも、護身で
は大切なことです。
いいえ、一番の護身の成功者は、さりげなく逃げ出した彼女たちだった
かもしれません。


修業は続く