2011年2月23日水曜日

鎌投げ

「おい、板とアレちょっと持って来いよ」

先生の言われるがまま私は体の胴体ほどの大きさの板を置いた



シュルシュルシュル ブス!    
 
シュルシュルシュル ブス!



板には鎌が二本、心臓ほどの高さに綺麗に並んで刺さった


そう先生の鎌投げだ?


「鎌投げて何と!」と言う方のため少し説明すると


*稲や草を刈りするごく普通の鎌を、
それを相手に見立てた分厚い板に投げ込むのだ
(普通人はやらないし、現代人には必要ないけど) 


鎌は回転して板に刺さった
先生は距離と回転数を計算して投げている


「じゃもう一本」

シュルシュルシュル ブス!


すでに板に刺さっている鎌と鎌の間10cm程に、
もう1本の鎌が刺さった
狙ったところに鎌がコントロールされている


目標を見て狙って投げ込んでいる
でもその先生の目は何か違う 
あたかもそこに居ない様な目にも私には見えた 



心の目で見ている   心の目で見ている   心の目で見ている



ただ的を見ているのではないのだ



想像力 想像力 想像力



きっと鎌の回転数の軌道から板に刺さる位置強さをリアルに
想像している。未来を想像しながら的を見ているので、
その場にいない様に見えたのだろう。



もっと昔、私が子どものころに、田んぼで友達数人で戦争ごっこを
していたときに、15mほど離れた相手の大将に、拾った棒切れを
ブーメランのようにして回転させながら投げたことがあった。

その時、こんなふうに回転しながらカーブを描いて相手の頭に
当たるとイメージでリアルに想像し棒切れを投げた。

本当は相手は棒に
気づいて避けるだろうとも思っていた。
 

結局、棒切れは大きくカーブしながら吸い込まれるように相手の頭に
当たってしまったのだ。

軌道は大きくカーブしていたので相手には、まさかあんあに離れた
ところから投げた棒切れが自分に当たると想像できなかたのだろう!


心の目を使える人と使えない人 心の目を使える時と使えない時
ずいぶん結果が違ってくる。


修業は続く

2011年1月26日水曜日

目覚め

 朝目覚めるてしばらくすると
「ブー、ブー、ブー」ホテルの部屋の目覚ましが鳴った

今日は気合が入っている(緊張してるのかも?)ので、目覚ましが
鳴る前に目が覚めたのだ。


のんびり身支度をして、朝食をとりにホテルのレストランへ向かった

和食、洋食、中華、あちこち回ったがどこにもいない
「そう先生を探しているのだ」

急いでホテルのフロントへ行くと
先生からのメッセージが残されていた


「警察に行く」


まてよ昨日夜「8時半になと」言ったじゃないか?

出張中翌日の予定は前日の夜寝る前、別れ際にしかわからない。
それも深夜たいてい酔っている

いつものことだが昨日も「8時でも9時でも8時半でな!」と言う
曖昧な感じだった

たいていは8時半と言ったら、その時間に食事か、そうでなければ
部屋に来いと言うことなのだ。

しかし今回は、先生はすでにホテルにいない


慌てててメッセージの解読に入る・・・「 警察に行く」・・・


警察てどこだ?警察庁か警視庁か警察署か交番か、広すぎるぞ東京

当時は携帯電話も普及していなく
行きそうなところにあちこち電話してみた

運良くすぐに見つかり、丁度打合せ中に電話を入れたみたいだった

次の瞬間、


「何してんだ!これから新宿な!新宿!」


ブチ! 電話が切れた

先生の声だ
「新宿のどこ?これまた広すぎる」「道場かな?」
今日は松山に帰る日だし朝パラから道場に行くはずはないしな?

もう勘しかない
思い当たっ所へタクシーを飛ばした

行きながら次の行動を考えた、そこに居なかったら次ぎどうするか
とにかく行動しながら考えた

今日も勘が冴えているようだ
そう先生が見つかった

「おまえよくここがわかったな」
「予定がくるちゃったよ」(ニアンスはもっと怒った感じだった)
それで結果的には無事?松山に帰ることができたのです。


護身も格闘も同じで、行動しながら考えるしかない、間違ってたら
次どうするかにフォーカスして行動しながら考えるだけだ。


修業は続く!

2011年1月11日火曜日

近くて高く・・・・

「暑い、暑い、めちゃ暑い!」  

 そんな中、甲高い声が体育館に響く
「おい!近くで高くだ!」

 「押忍」

「もっと、近くで高く」
さらに甲高い声が体育館中に響きわたる


もちろんその声は空手の先生の声だ
合宿でのことで、今日の練習のテーマは近い間合いでのハイキックだ

 
相手との距離がある場合のハイキックに比べ、難しく柔軟性が入り
体に無理が生じるが、そのぶんKO率が高くなる

相手からも見えにくし、ヒットするまでの時間も短くなる、しかも
この近い間合いだとフェイントも効果的なのだ


季節は夏、その日は風も無く四国のとある体育館内は、かなり暑
かった。しかし、暑さのせいか体はいつもより動き柔軟性も増して
いるようだった


そこに、あの甲高い声で「近くで高くだ!」と聞こえてくる

ガンガン蹴りまくた


そしてその時が来た、右足が突然「バチーン」

蹴り足が抜けたように言うことが効かなくなった
右足に力が入らず思い通りに動かない
 
というか、一瞬足が無くなたかと思った
そしてそのしばらく後、「痛て~い!」激痛が走り、右足が有る
ことが認識できた。

今から思うと、ハムストリング(太もも裏の筋肉)の肉離れだった
当時は初めてで何が起こったのかわからなかった。
 
幸い、太もも裏なので立つことはできるのだが、
足を完全に伸ばすことはできないので、その後の練習はひたすら
膝蹴りをしてその場をしのいだ


そして練習のあと、ある友人に直してやると言われ
私は藁をもすがる気持ちでその言葉を信じたのです

私は彼の言うとおりにうつ伏せになり、彼は片足を私の右足の平に
乗っかり固定して、反対の足の踵で上からゴリゴリ押してきたのだ

「ウギャ~」「オ~ウ」 「ウギャ~」「オ~ウ」
こんな痛い目にあったのは初めてだ、鎖骨を折ったときより
痛かった

彼の「大丈夫だから」と言う何の根拠もない自信ありげなその言葉
を信じて耐えに耐えた

そして次の日、私の足は棒のように硬直して、まともに歩けなく
なっていた、素人療法だったのだ


どんなに信じても原因もわからず間違った療法は逆効果だ、
トレーニング方法も同じだと思う
何でも勉強と経験をしないと違う方法に行ってしまう



ちなみに半年間、まともな右の蹴りが1本も出せなかった

大変勉強になりました

修業は続く!