「イタ、タタタ、あれ痛いな、」
「こりゃ、あばら(骨)いちゃてるな」
松山での審査が終わってその夜のことでした。
そして次の日も痛みがとれない、息をしても痛いのだ。
あばら骨にヒビが入ってしまたのでした。
昨日の審査の時に間違いない。
組み手(捌き)で30~40人を相手にしたので、どこかで強い
打撃をもらってしまったのだろう。
*捌く(相手の攻撃を受け流し、最小限の力で相手を制圧する動き)
やっている時は、興奮して体中に麻薬が回っているので痛みをあまり
感じないものだ。なので、どの場面でもらった打撃かはわからない。
いすれにしてもドジてしまった。
まあ、それはそれで良いのだが、実は一つ心配があった。
これから毎週審査が大阪、東京、etc.....と続くのだ。
各地の審査で組み手(捌き)をできるだろうか。
痛めたところに打撃をもらうとを、やだな~、
もう意識してしまっているので、よけい立ちが悪い。
もちろん痛めたことも、疲れていることも、言えるはずがない。
病院に行く暇ないし、その時お金もなかった?
そして別の審査当日「おい、照尾いけ!」の先生の声が掛かった。
その時、ぱっと、考えが浮かんだ。
打撃もらうとやばいな、そうだ!だったら一発ももらわなければ
良いのだ。綺麗に捌こうとは思わずに、打撃を一発ももらわないと
誓ったのです。
するとどうでしょう。防衛本能が働いたのかバンバン捌けるでは
ないですか。もちろん綺麗に捌けているわけではないのですが、
打撃をもらわずに終わったのでした。
どこの審査でも同じことを思い捌きにのぞみ、結果いつもより
うまく捌ける確率上がっていたのです。
本当にやばいと思った時、眠れる防衛本能がフル活動して体が
動いたのでしょう。考え方一つでずいぶん動きも変わるものだ。
あの感覚は絶対忘れない。
そして審査をこなしながらいつのまにかあばらの怪我も完治して
いたのでした。
それでは、誰でも危機感があれば動けるのか?
答えは、残念ながらノーだ。
日ごろ何もしていない人ではそこで、諦めが入ってしまう。
どう対処したらよいか想像ができず、脳が思考をやめて
しまうのだ。そして体も固まってしまう。
では、あなたはどちら?
修業は続く!
2010年4月8日木曜日
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