2007年7月23日月曜日

運命を左右すること

今日の話は、心の持ち方が運命を大きく左右するというお話です。
まずは、私の体験談を聞いて下さい。


あれはもう何年か前の話になりますが、私は大切な用事で高速道路を時速100km.くらいのスピードで車を走らせていました。

そのうち、一面暗くなりました。どんどん雨が激しく降り始め、辺りはバケツをひっくり返したようなすごい土砂降りになってきました。

私が走っていたのは、緩やかな下り坂で、ゆるく右にカーブしています。そこは、もう雨水がたまるほどになっていました。


もう、おわかりですね。そうです。


ずずずず。タイヤの空回りする音がしたと思うと、車体が斜めに滑り始めました。(このとき、私の頭の中は、「やべえ!! 大事故だ。中央分離帯にぶつかるか、後続車にぶつかるか。大切な用事に遅れる!!」ということでいっぱいでした)。

あっと思った瞬間、車は道路左のワイヤーガードにぶつかりました。激突。車は、スピンし回転していました。

車は中央分離帯のすぐ横で、ぴったりとまっすぐ向いて後続車を避けるように、激しく揺れながら停まりました。私は、怪我一つしていません。


なぜだろう。


ワイヤーガードにぶつかった瞬間、私の心の中では、不思議と恐怖心はなく、後続車を避けるようにまっすぐ停まれと強く念じながら、ハンドルを握っていました。なぜ恐怖心がなかったのでしょうか。

それは、大事故になるのは当たり前、命があればめっけものと開き直ったからかもしれません。


一方体は、シートに密着させ、ハンドルをしっかりと握り、車がまっすぐ向くように、さらに車が衝突したときに、首が振られないようしっかりと身構えていました。(当然ですが、事故の際、物凄い力がかかったのでしょう。怪我はなかったものの、次の日、首と肩が物凄い筋肉痛になりました)。

なぜ、中央分離帯にも後続車にもぶつからず助かったのか。不思議なことですが、心で、「助かれ!!!」と強く思い、その気持ちが恐怖心よりも大きかったため、冷静に身体が動き、車をコントロールできたことが大きな理由でしょう。



護身も、同じようなところがあります。
危機的状況において、生存に対する強い意識が恐怖心を克服して、それによりより良い方向(助かろうという方向)に体が動くのです。ある意味、諦めないこと、開き直ることが重要なのです。


もちろん、その後、鞭打ちにもならず、怪我一つしなかったのは、ハンドルをコントロールするための私の腕や首の筋力、反射神経などの体力、車の性能、シートベルトをしていたということや運もあるでしょう。

護身術でも、心の鍛錬、体力の鍛錬、技術の鍛錬が三位一体となって、あなたを助けることになるのです。


後日談・・・・車は、私の命を守り廃車になりました・・・感謝)

後日談2・・・そのとき、ちょうどすぐ先で事故があり、パトカーがすぐに来てくれました。それだけでなく、パトカーに乗せてもらい、大事な用事にも間に合うことができたのでした。・・・再び感謝)


今日は先生はでてきませんでしたが、
修行は続く

2007年7月18日水曜日

動物脳?

前回の話を覚えていますか?「勘」を働かせることが、護身においては重要だということを、芦原先生に教えていただいたというエピソードでした。「勘」を働かせることができれば、百人力であることは間違いありません。では、どうすれば、勘を働かせることができるのでしょうか。

ここで、「できるわけないじゃん?」と思ったあなたは凡人です。しかし、ほとんどの人が「できるわけない」という気持ちでなのではないでしょうか。

今日は、その「できるわけない」を「できる」に変えるためのノウハウをお話しましょう。


そもそも、護身でもスポーツでも勘(=直観力)は大変重要なものです。例えば、プロ野球で、ピッチャーが投げた球をバッターが打つためには、ボールのコースやスピード、タイミングなどが瞬時に見分けられなければなりません。このとき、緻密な情報処理を行う大脳の新皮質じっくり考えてから行動に移っていては間に合いません。

そこで、動物脳といわれる生命維持や感情をつかさどる旧皮質で直感的に行動に移り、反射的に打ち返します。ただし、日ごろから多くの練習やイメージトレーニングをつんでおかなくては、直観力は働きません。


肉食獣に襲われるかもしれないアフリカのブッシュの住民たちは、いつ、どこから敵(ライオンやハイエナ)が襲ってきても対応できるのだそうです。(もちろん、対応できない状況がないとも限りませんが)。

聞いた話ですが、ハイエナに囲まれたことのある日本人は、極度の恐怖からか現実感がなくなり、ぼーっと突っ立っていたそうです。この人は、現地の友人が助けてくれなかったら、今頃、ハイエナのお腹の中にいたかもしれません。

都会に住む私たちは、普段安全なところに住んでいますので、降りかかる可能性のある多くの危険に対して、想像力を働かせて、イメ―ジトレーニングをしておくことも、「勘」をよく働かせるためにはとても大切ですね。

しかし、これだけでは十分条件ではないのです。なぜなら、「勘を働かせる動物脳」をどのように活性化すればいいかという話は今回はしていないからです。これについてのお話は、また機会があったときにしましょう。


ちなみに、このブログの書き込みは不定期ですが、さて、次の書き込みはいつになるでしょうか。皆さん、「勘」を働かせて当ててみて下さい。


P.S.このブログ、はじめたばかりなので情報量(経験)少なく、まだまだ「勘」を働かせて当てるのは難しいでしょうね。

修行は続く

2007年7月4日水曜日

勘を働かせよ

こんにちは! 照尾暢浩です。

私の恩師である芦原英幸先生のお話をしましょう。私は子どものころから柔道を稽古してきました。そして18歳から、空手をはじめました。空手は芦原英幸先生に学び、本部で指導員をやっておりました。そんなある日のことです。



「おい! アレだ!!」と芦原先生のどら声が響きわたりました。アレというのは、どうやらバッグの中の道具をもってこいということだとすぐに私にはわかりました。しかし、バッグはいくつも置いてあって、どれが芦原先生のおっしゃるものかわからず、一瞬固まってしまいました。

「お前! 勘でわかれよ!!!」と芦原先生はこともなげにおっしゃいます。そんなのわかるはずない!! その時は、正直に言うとなんて無茶なことを言われるのだろうと思ったものです。

しかし、今になってよく考えると、芦原先生のおっしゃった勘というのは、いわゆる「ヤマカン」ではなく、五感をフルに活用し、相手の雰囲気、相手の視線、しぐさ、声色から読み取れと言うことであったと思うのです。



護身において、危険をいち早く察知し、危険に近寄らないことやまた相手の動きを予測して次の行動に移るということがとても大切なことであるとそのとき教わったのではないかと思ったのでした。


次回は、五感の働かせ方について書きましょうか。
でも、気が変わったら、他のことの話かもしれません。どうしようかな?
あなたならわかるでしょう?勘で!



P.S.こんなとき思考停止させずとにかくどちらかを選ぶ、もしくは両方選ぶ、行動するしかないのだ!
修行は続く