2010年12月28日火曜日

キリギリスとアリ

空手部時代、ある二人の同級生の練習方法についての話をしよう。
 
 題して、「キリギリスとアリ」  


「あれまた休んでる?」一人は、研究室のゼミとか言ってごくたまに
練習を完全に休んでいた。

もう一方の一人は、「ヒーヒー」言いながら開脚ストレッチを脂汗
出しながらやっている。
彼は、毎日まじめにやっているようだ。
 
この二人、はじめはそれほど変わらないにしても開脚ストレッチの
成果はその後どう変わっていたのでしょうか。


当然、毎日まじめなアリ君が逆転でしょう!

 そう!・・・そう思いたい。



しかし、結果はしばらく休んでいたキリギリス君の方が股関節が
ずいぶん開くようになっていた。


その後、しばらくしてまた練習を休んでいたキリキリス君が、
道場に来た。道場に入るなり」いきなり、

 「 レミネッセンス効果」と叫びながら、股関節を開いている。

するとどうでしょう、さらに開くようになっているではないですか。

 

どうも毎日まじめに無理やり、しかもいやいややっていては効果が
薄いようだ。
 
そしてアリ君に聞くと、逆に体が反発するように、さらに体が硬い
とよけいに自分で思うようになっていたそうだ。


 *ちなみに「レミネッセンス効果」(呼び方違うかも?)とは
  学習直後より一定時間おいたほうが効果が高くなっている
  ことで、技術練習で良く見られる効果のことだ。
  二十年以上前のことなので当時はその言葉が新鮮に思えた。
 

もちろん休めばそれだけで良いわけではなく、しっかりとした
練習の積み重ねがあって、疲労が溜まってきたところで少し休む
と前より良くなっているということだ。

頻繁に「レミネッセンス効果」ばかりを期待してはいけない。
最初から何もやらずに休んでいてはいつまでたっても変わら
ないのは当然である。


またこの件で、「努力も間違った方法だとどんどん目的地から
離れてしまうな」と、考えさせられた。

さあ、練習した分だけ休もう!!


修業は続く

2010年12月27日月曜日

いつもと違う大きな相手

外国で感じることは、やっぱり日本人との体格差、
なにより手足が長い。さすがに2m以上となると
「でかいな~」と感じてしまう!


 「スピードと巧みさがなければ話にならない」



そういえば、昔し空手の仲間に背も180cm以上あり日本人
としては大きく力もあるやつがいた
確かに強かった

ただ練習はいつも自分より小さな相手とだった
というか身近に大きなやつがいなかったのだ。


そんなあるときドイツ人だかオランダ人だかがやって来て、組み手
をすることになった

彼はいつもは余裕で組み手をしているのに、今回はまるで通用しない
全然動けていなかった

いつもは加減なステップでも体格だけでで捻じ伏せていたのに
それが今日は使えないのです
かわいそうにすかり自信をなくしてしまったのだ

いつもとまったく同じ感覚でやっていてはうまくいかないのは
あたりまえで、
相手のリーチや脚の長さ、踏み込みの歩幅まるで違うからなのだ。

そのあたり計算して動かなければならない
 
また真っ直ぐ出入りするでけでは、必要以上に体力を消耗する
だけなので、サイドに巧みに入る等の工夫が必要となる
このあたりを徹底的に練習しなければ通用しない。


その後彼はまた日本人と組み手をして自信を取り戻したようだった
でも動きは変わっていない
 
 「学習してないな 間違いなくまたやられるよ!」

修業は続く

2010年10月23日土曜日

USTREAM失敗

昨日のUSTREAM、放送失敗しました。ごめんなさい!シャドーにサバキ、普段の練習の概略を実演込みで説明しました。終わってみると、放送も録画もできていませんでした。パソコントラブルか?アイフォンも駄目だったのでなぞだ?http://www.ustream.tv/channel/goshinkarate

2010年10月18日月曜日

ustream

こんにちは、照尾です。
先日USTREAMでSDトルネードの番組ページを作りました。

http://www.ustream.tv/channel/goshinkarate
上記のサイトで生放送が流せるのですが、まずは試験的に撮った録画を
一部残していますので見てみてください。

(動きが大きいため画質を落としています)
(メモリーがあまりに小さいパソコンだと見ずらいです)


そして10月22日(金)10:30から5~10分ほど、
はじめて放送予告して生放送してみます。


時間が短いので、知らないまま終わってしまうかもしれませんが、
お暇な人は見てみてください。

もちろん無料です!

ただ内容は決まっていませんので、
中身の保証はありませんよ。

http://www.ustream.tv/channel/goshinkarate

2010年10月8日金曜日

ミットVS空蹴り

今回の話は、サンドバックは生きている』の続きの予定
でしたが、

ちょっと日にちが開きすぎて、いったい何を書くつもりだったのかを
忘れてしまった。

なんだったのか?
思い出せない


固いサンドバック、揺れるサンドバック、そして

 
う~ん 

完全に忘れた!

 
なので他の話をします


あるときミットやサンドバックばかり蹴っている人がいた
その人は「空蹴するよりもミットやサンドバックの方が重要だ」と
言っていた

確かにかにその人の蹴りは強く、破壊力抜群だった

しかし、彼は組み手では簡単にバックポジションを取られていた
(実戦で背後を獲られることは致命傷だ)
 
 
では、なぜでしょう?
 
 
それは蹴りが相手に当たった場合には反動で足を早く引くことが
できるが、空振りした時には足を上手く引きつけず背中を見せる
状態になり、相手にバックポジションを獲られたのでした

彼はミットで押し込む攻撃ばかり練習していたので、空振りした
とき上手く足を引くことができなかったのです

もちろん足が引けなくても、蹴りを振り抜き1回転するか、すぐさま
別の技を出すことで対応することもできる

でもそれでは、出せる技は限られてしまう

 
一方、空蹴り(シャドー)を、しっかり練習している人は、
空振りしたときの対応も早い。
パターンも豊富だ


やっぱりシャドーもミットも大切なのだ!


ちなみに興奮した暴漢は少々の痛みは感じないので、相手に
蹴りが当たっても引き足が遅いとすぐに捕まれてしまうので
引き足が早いこと防御という意味でも重要となる
 
 

やっぱりサンドバックの話、思い出せなかったな
いつかまた思い出せたら・・・・


修業は続く

2010年8月8日日曜日

サンドバックは生きている

今日の話は、前回『硬いサンドバック』の続きです。


汗もかかずに固いサンドバックを蹴るのをやめ、
こうして隣にある柔らかいサンドバックを、みんなで交代しなが蹴る
ことになった。 

 「ドズン、パンパン!」

サンドバックは生き物のように素早く大きく揺れている。

痛くないので思い切り蹴りができるから、おもしろいように
サンドバックの中に足がめり込んでいった。

みんな自然と手抜きはしなくなっていた。

 
そのときある人が、揺れるサンドバックを手で止めては蹴り、また
大きく揺れては、また両手で止めて蹴っていた。
 
さらに思い切り蹴れるのでサンドバックは大きな音をたて、豪快に
揺れた。彼は、満足そうだ。 

天井から吊られていたサンドバックは、大きく揺れるため、上手く
当てにくかったので、いちいち手で揺れを止めて蹴っていた。


すると、どこからともなく甲高い声が聞こえた。
 
 「だからいっまでたっても使えないんだよ!」

先生の罵声が飛んだのだった。

いちいち手で止めて蹴るのではなく、自らポジションを変えながら
タイミングを図り蹴れと言ううことだった。 

揺れるサンドバックを蹴るから意味があるので、
間合い、スピード、タイミング、角度や力の向きを考え蹴るのだ。

こうすると瞬時に判断して、体が思うようにう動き、ジャストの
タイミングで蹴れるようになる。
 
  
 
ぜひ練習する時の参考にしていただきたい。

 
そしてこの話には続きがある。 次回につづく

2010年6月9日水曜日

硬いサンドバック

 「パチーン!」

 鋭いパンチが見えたような、いや正確には早すぎて見えなかった。

 「このサンドバックちょっと硬いな~」

 先生の言葉だ


 道場に吊られていた大きなサンドバックを叩いたのである。


 「隣の柔らかいサンドバックを使え!」


 え、硬くて重いサンドバックの方が鍛えられていいんじゃないの?
 と私は思った。

 
 先生はニヤリとして
 「ちょっと硬いサンドバックを蹴ってみろよ」と私に言った。
 
 
 ドスーン~ ドスーン~ サンドバックがゆっくり揺れた
  
 
 「ほら全然だめだろ、そんなんじゃ汗もかかないよ」
 
 その時の私の蹴りは、当てるような蹴りになっていたのでした。
 それは硬く重いサンドバックを、弾くように鋭く蹴りだすと、
 皮膚から骨にかけて痛いからだった。

 さらに弾くように出すと重いサンドバックは揺れないので押し込む
 ように蹴り揺らしていたのです。つまり少し遠慮してサンドバックに
 当ててから、それから力を入れて押す遅い蹴りになっていたのです。


 一方、柔らかいサンドバックは、遠慮なく蹴れるので、力を思い切り
 出して蹴ることができる。早いコンピネーションも出せます。
 その方がおもしろいので手も抜かないのです。


 よく先生は、「巻藁(まきわら)叩いて拳だこつくるより、柔らかい
 サンドバック叩いて手首を鍛えろ!人の体は巻藁より柔らかくて
 しかも動くんだよ!」と言っていた。


  巻藁(まきわら)
   ・・・木の杭などに藁を巻いて叩く伝統的な空手の練習用具


 ちなみにサンドバックの中身は、本当に砂を入れてはいけない。
 重みで下の方はコンクリートのようにかちこちになってしまう。

 布だけ入れて蹴っていても、だんだん下に詰まってきて重みで
 下部がかなり硬くなる。

 なので、布、梱包材(発泡スチロール等)、布、梱包材、布と
 いうふうに何層にも分けて詰め込んでいく。
 すると形が崩れにくく柔らかいまま蹴れのだ。

 
 護身の話ではなかったが、
 練習する時の参考にしていただきたい。

 
 そしてこの話には続きがあるのだ。 


修業は続く!

2010年5月26日水曜日

ステップだけで捌け

今日は、知らぬ間に自分で作った制約に縛られているという話を
しましょう。


とある空手の審査会でのことでした。


先生は、私に近づき耳元で、
「今日は、ステップだけで、捌け!」と指示を与えた。


*捌(さばき)
=相手の攻撃を受け流し、最小限の力で相手を制圧する動き



「え、ステップだけで?」

それは、最近の本部での練習のテーマでもあった。
先生は、ステップが上手く使えていないみんなに、捌きの真髄を見せ
たかったのだ。

しかし正直、技を限定されると捌きはきつい、特に体の大きくない
私にはなおさらだ。

ステップだけで捌くとは、相手の攻撃を見切りパンチや蹴りを使わず
にサイド、バックに回り込まなければならないのだが、ポジショニング
(回り込み)の過程で打撃やつかみによる崩しがないとかなり難しい。

もちろん何かの試合のルールのように、下がったらだめインファイト
のみ、でもつかみはだめのような、現実にありえない限定よりは
ましなのだが。


案の定、動きがかなり悪くなってしまった。
回りの人には見た目、それなりに捌けているように映ったかもしれない。
しかし、いつもならこういうときにはこう動くという得意な動きが使え
ないわけだからかなり一杯一杯だった。


そして最後に三段を受ける人の相手をすることになったのたが、
思うように体が動けない自分がいた。

途中で「蹴ってもいんだよ!」の先生の声が聞こえた。
しかし、崩しの蹴りも出せず、一発も良いのをもらった分けではないが
結局捌けずに時間切れとなった。



こんな話がある、人間に飼われている象は、子像のときに足にロープを
巻かれ、そのロープを木杭に縛ると、最初は逃げようとする。
ところが子像には木杭を抜く力はなく、しばらくするとあきらめて
おとなしくなる。

その後、体も大きくなって簡単に木杭を抜く力があるはずなのに、
同じ木杭にロープで縛られるとおとなしくなってしまう。

自分で限界を作ってしまったのだ。
少し学習能力があり頭が良いことか裏目に出てしまっているのだ。



昔、ある技限定で捌きをしようとして上手くいかなかったことが、
頭に残っていて、今回もこれは無理だの否定から入ってしまって
いたのだ。結局その時は、自分で作り上げた世界を出れず
じまいだった。

もちろんできると思ってやってもできないこともある。
ただ少なくとも、「蹴っても良いんだよ!」の先生の声に、体が反応
して蹴りは出せたはずだ。自分で難しいと決めてしまいタイミングを
逸してしまったのだ。


先生は少しがっくりした顔で、
私の耳元で「最後決めてくれたらな~」と・・・・

帰りの道中、最後の言葉が私の身に染みてきた。


修業は続く

2010年4月8日木曜日

痛くない考え方

「イタ、タタタ、あれ痛いな、」
「こりゃ、あばら(骨)いちゃてるな」

松山での審査が終わってその夜のことでした。
そして次の日も痛みがとれない、息をしても痛いのだ。
あばら骨にヒビが入ってしまたのでした。

昨日の審査の時に間違いない。
組み手(捌き)で30~40人を相手にしたので、どこかで強い
打撃をもらってしまったのだろう。

*捌く(相手の攻撃を受け流し、最小限の力で相手を制圧する動き)

やっている時は、興奮して体中に麻薬が回っているので痛みをあまり
感じないものだ。なので、どの場面でもらった打撃かはわからない。
いすれにしてもドジてしまった。

まあ、それはそれで良いのだが、実は一つ心配があった。
これから毎週審査が大阪、東京、etc.....と続くのだ。


各地の審査で組み手(捌き)をできるだろうか。
痛めたところに打撃をもらうとを、やだな~、
もう意識してしまっているので、よけい立ちが悪い。

もちろん痛めたことも、疲れていることも、言えるはずがない。
病院に行く暇ないし、その時お金もなかった?


そして別の審査当日「おい、照尾いけ!」の先生の声が掛かった。

その時、ぱっと、考えが浮かんだ。

打撃もらうとやばいな、そうだ!だったら一発ももらわなければ
良いのだ。綺麗に捌こうとは思わずに、打撃を一発ももらわないと
誓ったのです。

するとどうでしょう。防衛本能が働いたのかバンバン捌けるでは
ないですか。もちろん綺麗に捌けているわけではないのですが、
打撃をもらわずに終わったのでした。

どこの審査でも同じことを思い捌きにのぞみ、結果いつもより
うまく捌ける確率上がっていたのです。


本当にやばいと思った時、眠れる防衛本能がフル活動して体が
動いたのでしょう。考え方一つでずいぶん動きも変わるものだ。

あの感覚は絶対忘れない。

そして審査をこなしながらいつのまにかあばらの怪我も完治して
いたのでした。


それでは、誰でも危機感があれば動けるのか?
答えは、残念ながらノーだ。
日ごろ何もしていない人ではそこで、諦めが入ってしまう。
どう対処したらよいか想像ができず、脳が思考をやめて
しまうのだ。そして体も固まってしまう。

では、あなたはどちら?


修業は続く!

2010年1月25日月曜日

はずかしい話

こんにちは、SDトルネードの照尾暢浩です。

今回は、空港でのちょっとはずかしかった話をしましょう。


その日私は、先生を空港へ送りその後は、一時の平和な時間を過ごす
はずでした。

空港の待合室で、先生は、

 「おい、てるお! 前屈立ち! 」

 「移動稽古だ」

 「いち、にい、さん、回し蹴り、はい廻って!、いち、にい、さん、
  回し蹴り、はい廻って」

 「外受け、ワンツー、回し蹴り、外受け、ワンツー、回し蹴り・・

私は言われるまま精一杯体を動かし、
空港でちょっしたギャラリーができてしまった。
(今なら警察に連れて行かれるかもね)

ちょぅと恥ずかしいけど、手を抜くわけにはいけない。

延々と続く

季節は真夏、空港の中といっても、さすがに汗もだくだくだった。


もう出発まじかだよ!と思っていると、

「先生時間です。」と別の指導員が声を掛けた。


 「ちゃんと今やった稽古メニュー書いたか、後で正書しとけよ!」
 「俺が乗らなきゃ飛行機、飛ばないから!」


まったく迷惑な人だ!

さいわい、今回はそのまま開放された。

中途半端で終われば、このまま連れて行かれるのではないかと、
覚悟していたので、正直ほっとした。


先生が帰ってくるまで、久しぶりの平和?を感じながら、
どんな時でも「出し切る」て大切だな・・・と思ったのでした。



修業は続く!