2009年6月25日木曜日

ガードが甘いぞ

それは私が岡山県の津山から愛媛県の松山に出て、大学の空手部に
入ったばかりのころでした


「ちょっと良いですか!」

「今何時ですか?」

一人の見知らぬ男が声を掛けてきた。

私は自転車のぺダルを止め、腕時計を見ようとした。

「アレ、分りません。」時計を付けていなかったのです。

すると急に男の目が釣りあがり、乱暴な口調に変わったのでした。



「おまえ舐めてるのか!」



さらに後から二人が別の男が出てきて、私の前を塞ぐ。
二人は、最初から悪そうな顔だった。

私はしかたなく自転車を降りると、

彼らは、「ちょっとこいや!」とさらに裏路地に誘った。



こんな時は、ついていってはいけない。余計に状況が悪くなる。
少しでも人目のあるところで踏ん張らなければいけないのだ。



私は「いかない」と言うと、彼らはさらに強い口調で脅してきた。


そこは昼間は人通りが多いのだが、夜中だったためまったく人気が
無い。ここは自力で何とかしなければならないと思っていた。


相手の目的がお金なのか暴力なのかわからないが、その時、私は
金を1円も持ちあわせていなかったので、もしお金を要求されても
出せない。よけい怒らすなと思いつつ、(いつもは大金持ってるのに?)

ドキドキしながら逃げ道を探っていた。


こっちに来い、行かないのやり取りの中、
私のしゃべりが岡山なまりだったせいか。

「おまえ、どこのもんや!」と聞かれたのでした。



なぜだか思わず「空手部」と答えていた



すると三人組の表情がすこし変わったのが良く分った。

その内の一人が俺も空手やっている。空手部なら○○知っていると、
聞いたことも無い名前を出してきた。

たぶんウソだと思ったが、「ふーん、そうですか、」と答えると、


その彼が「ちょっと蹴り見せてくれ!」と・・・

そう言われた私は躊躇なく、
今から思えば、かなりしょぼい空手歴3週間くらいの廻し蹴りを見せた。

彼らには十分だったようで、

「おーう!」
「なかなか良いけど、ガードが低い」とアドバイスまでいただいた。


「あ、ハイ」私は、あえて素直にアドバイスを受け入れた。

数分まえの凶悪な声のトーンも下がり
「夜道は気をつけて帰りなさいよ」という事で、何事も無く終わった
のでした。


数週間後、空手部の宴会に来られた芦原先生にその話をしたら、
大爆笑だった。
余談だが、先生も誰かに上段受けを見せた時に腕時計が吹っ飛んで
行ったそうだ。


今回のPOINT
1.夜道を尋ねられても止まってはいけない。相手は一人ではないかも
しれない。
2.同じ場所で、昼間は安全でも夜は違う。
3.恐くても相手についていかない。人目がつくところで殴られた
ほうがましだ。
4.相手のメンツもたてながら、だからと言ってこちたも卑屈にならない。



ありがたいことにその日依頼、私は、顔面カードを怠らない。



修業は続く

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